闇黒紙芝居
少年レッド最終話
「少年レッド夕焼けに消ゆ」の巻

作 ぴろち様 絵/アイコン ぎるもあ
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…それから半年の月日が流れていったんだ。暑かった季節は冬を越え、春がやってきたんだねぇ。
怪傑ドクロXは事業に大忙しの日々を送っていたんだ。

「東地区のアヘン供給を確かにしろ。港の倉庫は2倍になるから警備はより厳重にしておけよ。」

「ドクロ様…」

「おぉマサエさんではないか。どうした?あまり騒ぐとお腹の子にさわるぞ。」

「そのことでしたら大丈夫ですわ。あのねドクロ様、そろそろ半年になるんじゃございませんの?」

「なにがだ?」

「いやですわ、私達の契りを交わした日それと、あの少年レッドに鉄槌を下した記念すべき日じゃありませんか」

「おぉお!そうだったな。…いやしかし奴はあれからどうなったのかな?報告も特に無いしな。」

「ねぇ、半年経った記念という事で見に行きませんこと?」
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マサエの提案で二人はブタ便所の下にあるブタ出入り口の鉄扉を開けに行ったんだ。
さぁて、中はどうなっているかというと真っ暗な中に、まさにブタと汚物の匂いで立ち込もっていたんだ。
ブーブーという鳴き声とともにね。

「うっ臭いわ〜。まさに異臭の壁ね。」

「マサエさん、ココにいたら体に悪い。君はすぐに上に行った方が良い。」

「こっこのくらい大丈夫よ。それになにより、私は少年レッドの行く末が見たいのよ。」
二人の目が闇に馴れてきた頃、ひときわ高い鳴き声のする影を見つけたんだ

「あっ、少年レッド見ーつけた!」

「ほほう、お盛んのようだね、少年レッド君」

そこではなんと!でっぷりとしたブタをバックで受け止め、ブーブーと歓喜に打ち震え、交尾にはげんでいる少年レッドの姿があった!
もちろん周りにいるブタへの処理もしていたよ。
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「ッブーーン、ブブーーン。ンブ、ンブ、ンブ、…ブーー、ブーー、ブーーー!!」

「ほほほほほほほ、これがあの少年レッドの馴れの果てですの?あーー可笑しい、なんて痛快なんでしょう!」
マサエの笑い声で我に返った少年レッド、しかしブタとの交尾はやめられず、ただイヤイヤと泣きながら腰を動かすのでした。
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「ブッブー、ブー、わぁーーーーーん、ブッブーーー、ブブーーーー!」

「ん?ふふ、どうやら半年の間ブタと暮らしていて人語を話せなくなってしまった様だな。
まさにブタ人間、一丁あがりときたか。どれ、退け!このブタ。」
怪傑ドクロXがオスブタを押し退け少年レッドの手を取り高く持ち上げ、離したんだ。
でも長い間四つん這いで暮らしていた少年レッドは手足の筋肉が退化してしまって、うまく立てずにヨロヨロとへたり込んでしまったよぉ。

「ブッ、ブブーー。ブブー。」

「ふん、ますますもってケダモノだな。手下にでもしようかと考えたんだが、こいつはもう使い物にならんな。」

「かといって、このままここで飼っても交尾しかしないんじゃないの?飼うだけ無駄な気がしてきたわ。」

「そうだな、まったく無駄ってもんだ。…ふふふ。」

「ねぇ、いっそのこと捨てちゃったら?好奇な人が拾ってくれるかもしれないし。」

「野良少年レッドの出来あがりか。こいつにはブタ以外の動物ともするのもいい経験かも知れんな。」
二人が話している間も、少年レッドには次の発情したブタが覆いかぶさろうとしてきた。
それを見かねたように怪傑ドクロXがブタを払いのけた!そして少年レッドの手首を取り高々と持ち上げてこう言った。

「おい、私の言う事が解るか?」

「ブブー。ブブー。ブヒー?」

「やっぱりダメか。…いいか、きさまはこれから捨てられる身だ。どことなりと消えてしまうがよい。」

「ブヒッ。ブブー。ブヒッ?」

「何を言ってもダメか。ふふふ、しかし寂しくはないだろう、貴様の体からはフゥエロモン2000の匂いが立ち込め続けている。
あらゆる動物が貴様を求めてやまないだろう。しかと生きてみせよ。人間以下としてな。」

「ねぇ、決めたのなら早く捨てに行きましょう。とりあえず野良犬の多そうなゴミ貯め場が良いわ。」
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ここは海に近い、ただっ広いゴミ貯め場。辺りは夕日色に照りかえっています。
そこへ木箱をかついだ手下共を引き連れた二人がやってきました。
置かれた木箱の横が開きましたが、中に入っている少年レッドは、なかなか出てきません。

「ほらっ何してるのよっ、はやく出てくるのよっ。」
無理もありません、なにしろ半年も暗がりにいたのですから、夕方といえども、まぶしくて目が開けられないのです。
それでも痛くて出てくる涙をポロポロと流しながら四つん這いで這い出てきました。

「ブー、ブヒッ、ブヒッ。」

「そら、見るが良い少年レッドよ。これからはここがお前のすみかだ。」

「ここは野良犬が多いの。わかる?もうすぐ春になって発情期の犬達がお前を襲ってくれるのよ。」

「ブー、ブー」
二人の会話が解っているのかいないのか、少年レッドはただ鳴くだけです。
そこへ怪傑ドクロXは懐から一本の注射器を取りだし、少年レッドの尻に突き立てました。

「貴様には淋しくないようにもう一つ特別にプレゼントをやろう。獣と交尾しても孕むクスリだ。
貴様の遺伝子という部分の一ヶ所を変えてしまうモノだ。せいぜい子供を増やせよ。」

「ふふ、私が出産を迎えるころには何匹の子供が生まれることやら。」

「これでよし、と。…さあ!少年レッドよ!どこへとなりと行ってしまえ!!」
怪傑ドクロXは少年レッドのお尻を蹴飛ばしました。

少年レッドはおびえるようにいそいそと、夕日のゴミ貯めの奥へと消えていきました。
それを見ていた二人と手下は仲良く帰っていったのです。
おしまい。
さぁ、どうだったかなぁ?この紙芝居が君達に教えてくれたことがあったねぇ。
そう、人のおうちに勝手に上がり込んじゃイケナイってぇことだね。
それともうひとつ、嘘をついちゃ〜イケナイってこともあったねぇ。
みんなも嘘をつくと正義の怪傑ドクロXが来るかも知れないよ。
えっ?少年レッドがその後どうなったか知りたいかい?しょ〜がないねぇ、よし特別に教えちゃおう!
怪傑ドクロXにブタに改心させられた少年レッドは、その後沢山の子供に囲まれて幸せにくらしたとさ!
さて、これできょうの紙芝居はオシマイだぁ。
またきてくれよなぁあ。じゃあバイバ〜イ。
ぴろち様の次回作に乞うご期待!